子どもが出された食事に文句を言って食べないと腹が立ちませんか?
我が家の娘は2人とも好き嫌いが激しく、好きじゃない、美味しくないといって食べないことがよくあります。
ネギが苦手とかピーマンが食べられないとかいうのであれば、ある程度理解できるのですが、このパンは嫌いだとか、シチューが美味しくないと言って全く食べないというようなこともあります。
それは、わがままだ、贅沢だと教えて、ちゃんと食べさせるというのも教育だと思いますが、別の考え方もあるんだなと感じたので、本を紹介します。
『千円札は拾うな。』安田佳生 著(サンマーク出版)
常識を捨てる
著者の安田さんは当時、株式会社ワイキューブ代表。学生の就職したいランキングの上位に入ったこともあったようです。
「千円札は拾うな。」というキャッチーなタイトルは、道に落ちている千円札を拾うことで、もっと大切なもの、見慣れた景色や日常の光景に溶け込んだ「価値ある情報」が見えなくなってしまうという意味です。
このような、世間で常識といわれているようなことを疑い、独自の考え方に基づいて経営している会社について書かれている本です。
本文の中でも、「勤勉は悪、努力は報われない」や「残業をやめれば給料は増える」など、一見するとおかしなことに見えることでも、読み進めるうちに、「なるほど、そういう考え方もあるんだな」と、新鮮な発見がある感じで、楽しく読むことができます。
食べ物を残すこと
その中に書かれている内容で、子ども達が「まずい」と言って食べ物を残すことを怒らないというのがありました。
「まずい」と感じる、その感性の積み重ねが自分自身の判断を下す「軸」になるというのです。
自分の人生を納得できるものにするためには、常識や、他人や社会の基準に惑わされない自分自身の「軸」が必要なのである。そのためには、「明らかな答えのないもの」の答えを考え、自分の「軸」をはっきりさせることが、とても大切なのだ。
このようなやり方に全面的に賛同するわけではありませんが、親の基準を押し付けるのではなく、日常生活の中で、子ども自身の判断基準を育てていくのは必要なことだと感じます。
後に、ワイキューブは倒産してしまうので、この本に書かれている内容を実践したら成功するという読み方はできないでしょうが、書かれている内容がユニークで、こんな考え方もあるのかと、自分が常識だと思っていることを疑ってみるきっかけになる本だと思います。
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