書評

魚の釣り方を自分で考える子供に

あたなはお子さんに、生きる力をつけさせるために、どのような教育をされていますでしょうか?

『「魚の釣り方」は自分で考えろ』という本を読み、いろいろと考えさせられたので紹介したいと思います。

魚の釣り方を自分で考える方法

著者の泉忠司さんは偏差値30から半年で全国模試1位になったという驚きの経歴の持ち主。この経歴を見て、なかなか勉強しない我が家の子供に対して何かヒントはないかと読み始めました。

タイトルの『「魚の釣り方」は自分で考えろ』というのは、空腹の人に魚を与えても一時的なものだから、魚の釣り方を教えるのが正しいという考え方に対して、魚の釣り方を教えるのも間違い、これからの時代は「魚の釣り方を自分で考える方法を教える」が正解というもの。

コンピューターが発達し、時代の流れが速くなっている現代において、魚の釣り方を教えて、たとえ釣れるようになっても、すぐにそのやり方は時代遅れになって、釣れなくなってしまう。その時に「魚の釣りかたを自分で考える力」が必要。

確かに、コンピューターのよってどんどん自動化が可能な時代、仕事のやり方や技術を知って熟練したにしても、それだけでは通用しなくなっていて、自分で考えて新しいやり方を生み出していくことができなければ存在価値がなくなってきていると感じます。

そう感じていながらも、子供に対してはただひたすら「魚の釣り方」を教え続けているだけなのではないか、この本の前書きを読みながら考えさせられました。

本の内容は、そのような抽象的な考え方のみが述べられているのではなく、著者の実体験を交えながら「魚の釣り方を自分で考える力」をつけるための方法などが具体的に書かれています。

「なぜ?」と疑問に思う習慣

本の中の「魚の釣り方を自分で考える」ための習慣の章で、固定概念や常識などを「なぜ?」と全て疑うことが必要だと書かれていました。

こんなことがありました。子供に少数の計算を教えているとき、小数点をなぜか『。』と書いていました。「それは点なんだから塗りつぶしなさい」と言ったときに「なぜ『。』じゃいけないの?」と聞いてきました。その時はそういうものだと押し切って、少数の計算問題を続けさせました。

小学校の算数は生きていくうえでとても大切な基礎となるものですが、少数の計算などというものはあくまでも「魚の釣り方」でしかなく、コンピューターを使えば人間とは比べ物にならない速さで正確に答えを出してくれるものです。

もしかしたら、小数点はなぜ『。』ではいけないのか、そういう「なぜ?」と疑問に思う気持ちを育んでやることが、子供の将来生きていくための力になるのかもしれません。

実際、「コンマ以下」という言葉があるように、ヨーロッパでは点ではなく、コンマ「,」を使うのが一般的だそうです。小数「点」という固定概念に縛られて、子どもの可能性を狭めているとしたら、とても残念なことです。

親自身が力をつける

いずれにせよ、親自身が「魚の釣り方を自分で考える力」をつけなければ子供に教えられないでしょう。この本をヒントに力をつけて、子供に生きる力を与えていきたいと思います。

あなたも興味があれば、一読してみてはいかがでしょうか。

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