子どもの教育を考えるときに、子どもが大人になったときにどんな時代になっているかを考えないわけにいきませんよね。
今の子供たちが大人になったときには、あらゆる分野で、コンピューターやロボットが仕事をしている時代。そこでしっかりと生きていけるように、子どもにはどんな教育をして、どのように育てていったらいいか、悩ましい問題です。
そんな状態で、書店でこの本を見つけて即買いしました。
『人工知能時代を生き抜く子どもの育て方』神野元基 著
これからの時代
著者は元はシリコンバレーでの起業家で、現在は学習塾の経営をしているという経歴の持ち主。
シリコンバレーでの仕事を辞めて、日本に戻って学習塾を始めた動機というのは、2045年に起きるといわれているシンギュラリティ(技術的特異点:人工知能の性能が爆発的に発展する時点)の概念を知って、子供たちに生きる力を身につけて欲しいという思いからだそうです。
この本も、これからの時代を生きる子供たちに、生きる力をつけるにはどのように育てたらいいか、ということについて書かれています。
人工知能の発達によるシンギュラリティについては、今の仕事の多くがなくなってしまうという報道がされていますが、この本の中でも、子ども達が将来就きたい職業のランキング上位(スポーツ選手、研究者、保育士、教員など)について、将来残るもの、消えるものという分類をしています。
「消える」という職業については、完全になくなるというのではなく、役割が変わるという見方をしています。例えば教員などは、勉強を教えるという仕事はなくなりますが、子どものモチベーションを上げるコーチの役割になると予想しています。
では、その時代に生きる子供たちに必要な、生きる力とはどんなものかについて、著者は「極める力」と呼んでいます。
そして、その「極める力」をつける具体的な方法について、詳しく説明をしています。
極める力
極める力とはなにかについて、著者は「思い」と「問題解決能力」の2つの能力を合わせたものと定義しています。
「自分はこれがしたい!」という「思い」と実際に行動に移す時の「問題解決能力」。これにより「圧倒的能動思考」を持つ人が人工知能時代を生き抜ける。これが筆者の結論です。
筆者の言う、「圧倒的能動思考」を持つ人とは、他人や周囲に依存することなく、自分にしかできない仕事や社会における役割を自らどんどん作り出せる人ということです。
私も、これからの時代に必要とされるのは、このような人だと思います。
まさに、人工知能時代を生き抜いていかなければならない子どもを持つ親には、どう育てていくかという視点を与えてくれる、読むべき本だと思います。
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