あなたのお子さんは本を読むのが好きでしょうか。子どもにはたくさん本を読んで欲しいと願っていますが、なかなか読もうとしないのが実態ではないでしょうか。
そんなあなたに、子どもに本好きになってほしいという気持ちにあふれた本を紹介します。
『子どもを本好きにする10の秘訣』高濱正伸 平沼純 著 (実務教育出版)
ちょっと変わった本
この本は以前紹介した『父親ができる最高の子育て』の著者である高濱正伸さんと、同じ「はなまるグループ」で働く平沼純さんの共著です。
『父親ができる最高の子育て』が新たな視点を与えてくれるものだったのと、国語が苦手の娘になんとか本好きになってほしいという思いから手に取りました。
『こどもを本好きにする10の秘訣』というタイトルから、10章の構成で、子どもを本好きにするノウハウ的なものを詳しく説明している本かと思ったのですが、本を開いてみると面喰いました。
本の冒頭に子ども向けの本が表紙の写真付きで紹介されており、その中には子ども自身による短い紹介文がついています。本の写真と紹介文を見ていると、なんかこの本は面白そう、読んでみたいと感じさせるものもありました。
子どもの本って面白い!
そして、「はじめに」には、親が子どもに心豊かな人になってほしい、そのために本好きになってほしいと願っていても、その願いゆえの「まだこんな本読んでるの?これだと絵ばっかりだから、もっと字の多いものしたら」などの何気ない一言が、かえって子どもを本嫌いにしていると述べられています。
そのような言葉を発する根底に、本というものを短絡的に、何らかの学習手段=「教具」として考えすぎてしまっているからだと言っています。
この部分を読んで、国語が苦手な娘に、本が好きになるようになって、少しでも学力を上げてほしいと思って、この本を読み始めたのが恥ずかしくなり、自分も子どもにそんな言葉をいっぱいかけているなと反省させられました。
本を読むことで成績がよくなるのか?については、本文の中でも本好きになり本をたくさん読むことの効用について述べられていますが、そこでも強調されているのが、読書は何かの「手段」ではなくそれ自体が「目的」だということです。
「まえがき」の中で勧めている、「子どもの本っておもしろい!こんなにおもしろいもの、子どもだけに読ませておくのはもったいない。自分も読んで楽しまなくちゃ!」自分もこのような感じになれたらと思います。
10の秘訣とは?
本来ならここで、子供を本好きにする10の秘訣を列記して紹介するのが親切なのかもしれませんが、あえてそれはしません。
本の構成は、1つ目はこれも2つ目はこれと示しているのではなく、本文で述べられていることを最後に10個にまとめています。
この本自体、退屈なノウハウ本ではなく、読んでいて発見があったり、自分もこの本を読んでみたいと思ったり、過去に読んだ本を思い出したりして、この本を楽しんだ後に、まとめとして10の秘訣を読むという形です。そこでも強調されているのが読書の「楽しみ」です。
あなたにも、そんな感じでこの本を楽しんでもらえたらと思います。
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