子どもが嘘をついたとき、「嘘をついてはいけない」と教えますよね。でも、少し躊躇する気持ちは起きませんか。
嘘をついたばっかりに、嘘を重ねざるを得ず、どうしようもなくなり、「あのとき正直に言っていれば。。。」という後悔を子供にはさせたくないという気持ちはあります。そうはいっても、生きていれば、ついた方がいい嘘や、つかざるを得ない嘘もあり、「正直者が馬鹿を見る」のような、バカ正直で損をする人間にもなってほしくありません。
自分が普段嘘をついておきながら、子どもに「嘘をつくな」と教育することに後ろめたさもあります。
子どもの嘘について、どう教えるべきか、ひとつの回答を与えてくれる本を紹介します。
『「本心がわからない」ときに読む本』 晴香葉子 著 (あさ出版)
人は嘘をついている
著者の晴香葉子さんは、心理カウンセラーでテレビなど幅広く活躍されている方です。
この本のタイトルは、『「本心がわからない」ときに読む本』なので、タイトルだけ見ても何の本かすぐにはわかりませんが、全編「嘘」について書かれている本です。
最初の章は「嘘の法則」として、「男性は1日に6回、女性は1日に3回の頻度で嘘をついている」など、嘘について、さまざまな調査結果を通して「嘘」の本質を明らかにしています。
その中には「生後6か月の赤ちゃんも嘘をつくことがある」という驚きの調査結果も示されていて、嘘というのは人間において大事な要素なのだということを教えてくれます。
その後、「嘘の見抜き方」や「嘘の対処法」など、さまざまな角度から嘘についての情報を整理し、解説してくれています。
「嘘をついてはいけない」と教えるべきか
冒頭の問い、子どもに「嘘をついてはいけない」と教えるべきかについて、筆者の結論は、「嘘をついてはいけないと教えていくべき」だとしています。
その理由として、K・バーシーがオーストラリアの子どもを対象にした調査により、「嘘をついてはいけない」という教育により、子どもは下記のようなステップで成長することが分かったからだそうです。
ステップ1 嘘はいけないことだから、つくのが怖い。できるだけやめておく
ステップ2 真実を語る誇らしさを知る
ステップ3 時には真実を語らないほうがよい場合もあることを知る
このような流れは、人間の認知の発達という面から見ても、無理がないように思います。
そうはいっても、子どもが小さいうちはその方針でいいのでしょうが、ある程度の年齢になれば、実際の世の中のしくみを教え、本音で接しなければならなくなると思います。
そのために、このような本を読んで、嘘の本質を知り、他人の嘘を見抜き、上手に活用する方法を知っておくのは必要なことではないでしょうか。
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