教育

子どものしつけに悩んだら

子どもにどういう躾をするか、なかなか悩ましい問題ではないですか。

今回は子供の「しつけ」について書かれている本を紹介します。

『躾が9割』斎藤茂太 著(ビジネス社)

著者の斎藤茂太さんは、歌人・斎藤茂吉の長男で、精神科の医師をされていた方だそうです。

「しつけ」とは

著者は躾について、「子育てにおいて親が子供に礼儀作法などを教え、身につけさせること」と定義しています。

一般的な解釈であり、自分もそのような感じでとらえています。

でもなんとなく、躾というと、子どもを型にハメて自由を奪い、自主性をなくしてしまうとうような負のイメージをもっていました。

だから、「躾が9割」という本のタイトルを見たときに、あまりいい感じはしませんでした。

しかし、著者は「しつけ」について「しつけさえきちんと受けていれば、人はどんな局面に遭遇しても、大方は乗り切れるはずだ」として「躾が9割」といえるほど重要だと主張しています。

「しつけ」と「おしつけ」

この本では1章を割いて「しつけ」と「おしつけ」は違うということについて説明しています。

まさに、最初に私が抱いていた、躾はの自由を奪うことだというイメージに対する回答で、子どもの自由を尊重せず、型にはめて教育するという「躾」は「しつけ」ではなく「おしつけ」であるということを教えています。

この章だけでなく、この本全体を通してですが、子どもの意見を聞かずに、親の基準を押し付けて教育することが躾ではないと強調しています。

威厳を保つ

こどもの意見を聞くといっても、子どもの言うことを何でも真に受ける「子どものご機嫌取り」をしているようでは、躾はできないとしています。

特に父親は、母親が過保護であっても、威厳をもって家の中をピリッと引き締める役目があり、肝心な時に叱ったり、諭したらりすることができなければいけないと言います。

しかし、一方で「父親の威厳を示そうとして完全無欠を装ってもいけないし、子どもに完全無欠だと感じられてもいけない」と注意しています。これは子供にとってプレッシャーとなり、問題行動を起こさせる原因になるということです。

だから、子どもに自分の失敗談などを話して自分の弱さを見せるということも大事だとしています。

私は失敗ばかりなので、子どもに対して「完全無欠」と思われる心配はないでしょうが、威厳をもって接しているかは自信がないです。

子どもを威圧的に押さえつけるのではなく、威厳をもって子供を叱ったり諭したりすることにより、著者の言うような「どんな局面に遭遇しても、大方は乗り切れる」子どもに育てることが、本当の躾けなんだなと感じました。

この本の特徴

この本は各項が2ページから3ページにまとめらえれており、どこから読んでもいいようになっています。具体的なエピソードを交えながら医師の立場からどうすればいいかを語っており、とても読みやすいです。

また「母よ、おおらかに」「父よ、強くなれ」という章があり、母親、父親の役割についても書かれています。

子どもの躾について悩んだときに、この本を眺めることで、大きなヒントを得られるかもしれません。

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